ニヤリと秋菜が笑う。

「警察に言うわよって脅したら純君とのビジネスを話してくれました。すごいお金になることも」

俺は普通の会話をしているかの様に紅茶を啜る。

「断ったら貴方たちは檻の中…あ、死刑かな」

どうやら俺の考えは甘かったようだ。

俺は単純に雅の言葉を信じ、秋菜を邪な考えの道具にした。

だが、雅に言った言葉は表向きで、本当はこの交渉が目的。

俺より邪な考えだ。

「いいだろう。仕事の説明をする。付いて来い」

席を立ち、地下室へ続く階段の入り口に向かった。

壁を外し、階段を下りる。

「地下室…あの事件の地下室よね?」

「そうだ」

事件の事は知っていたようだ。

馬鹿ではないのか。

でも金に目が眩んで身の危険を感じられないのは…やはり馬鹿か。