「そーいえばアキナの本名って?」

アキナの向かいに座り、紅茶を啜りながら聞く。

「そのままです。漢字で書くと、季節の秋に菜の花の菜」

返事は適当に頷いておいた。

俺は秋菜を信用していない。

雅が言っていた事はおそらく秋菜の本音。

「ユウマって偽名ですよね?」

「そうだよ。本名は純」

「じゃぁ純君って呼びますね」

秋菜は、はにかんだ。

可愛いと思ってしまった。

殺すのは少し惜しいと感じてしまった。

「純君、私ともビジネスパートナーになって」

前言撤廃!!

始末しよう。

片方の眉を上げ、目を細める。

「エリカさんがルナをトランクに入れるの…見たんです」