「別に…何でもない。」
あたしは何もないふりをして立ち上がる。
「どこ行くんだ?真城。」
「屋上。」
あたしは歩き出そうとした。
「あっ!!真城、今日は…」
氷真の焦った声を聞きながらもあたしの足は止まらない。
そして、教室のドアにたどり着いたときだった…
ガラッ!!
「はっはっははっ!!今日は逃がさないぞ佐倉!!」
あたしの前に立ち塞がって大口開けて笑っているのは大五郎だった。
「いつもいつも俺の授業サボりやがって!!残念だけど、今日は逃がす訳にはいかねぇ!!」
あたしは大五郎に無理矢理着席させられた。