「前向きすぎて笑える。」
あたしの言葉に氷真と紫音は大きく目を見開いた。
「笑えるってお前…」
「笑ってねぇじゃん。」
二人の突っ込みを軽く無視してあたしはグラウンドの横にあるテニスコートに顔を向けた。
相変わらずキレイに整備されたコートにあたしは懐かしい気持ちになる。
数年前までの当たり前の光景をまだ忘れることが出来ない。
あたしはコートから視線を逸らした。
これ以上見るのは辛いと思った。
「真城、大丈夫か?」
あたしの様子がおかしかったのか、紫音が話しかけてきた。
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