回りを気にしながらもあたしは目の前には置かれたご飯に手をつけた。




「おいしい。」




あたしは美味しくて素直な感想を言ってしまった。




「あ、ありがとうございます。」




近くにいたゴツい顔の男がいきなりお礼を言ってきた。




「え?」




突然のことにあたしがわかるはずもない。




「ご飯はいつも康二(コウジ)がつくってるのよ。だから真城ちゃんが美味しいって言ってくれたお礼よ。」




愛美さんが笑ながら説明してくれた。




どうやらこのゴツい顔の男は康二と言うらしい。




「とっても美味しいです。ありがとうございます。」




あたしは康二さんに向かって頭を下げた。