屋上へとつながる扉をゆっくりと開ける。
「あれ?馨、珍しいね。こんな時間に登校してくるなんて」
俺に一番に気づいたには空良だった。
「んー、まあ何となく、会いたくなってな」
そう言ったとたん、この屋上の空気が固まる。
え、なに?
何で皆固まんだよ。なんか俺が恥ずかしいじゃねえか。頼むからもうそろそろ誰か反応してくれよ。
俺の願いが通じたのか、女顔負けの可愛らしい顔の片割れ、力が一番に反応してくれた。
「ほ、ほんとに珍しいね、馨が女の子じゃなくて俺らにそんな甘い言葉はくなんて。…………もしかして趣味変えたの?」
…………ちげえよ。

