「それにさ、自分でいうのなんだけど俺家の奴らに大切にされてたんだよ。泣いたらきっとあいつ等がゾンビになってあやしに来るだろうなあ。」 笑いながら取って付けたように言う馨。きっとそれは、自分らしくないと思い考えた言い訳なのだろう。 大切な人のために泣かない。 大切な人の覚悟を泣かない。 大切な人の人生を泣かない。 大切な人との思いでを泣かない。 それが馨の覚悟であり決意なのだとしたら………