「いつまでそこにいる気だ。」




あたしがついてこないことに気がついた風雅が戻ってきてくれた。




「帰る。」




「駄目だ。」




あたしの決意はあっさりと却下された。




「とにかく行くぞ。」




風雅はあたしの右手をとるとさっさと歩き始めた。




左肩気にして、右にしてくれたのかな。そんな考えが浮かぶ。




家に入り長い廊下を進む。




まるで、江戸時代にタイムスリップしたみたいだ。




しばらく歩くと風雅はある襖の前で止まった。




「この部屋使え。」




風雅は襖を開けた。