「そろそろ行くぞ。」
突然立ち上がる風雅。
そしてヒョイと効果音がつきそうなほど軽くあたしを持ち上げる。
「行くってどこに?」
「家に決まってんだろうが。また肩痛めてぇのか。」
あたしの問いに前を見つめたまま返す風雅。
「つーか、なに当たり前の顔してお姫様抱っこしてんだよ風雅。」
「「俺もやりた~い!!」」
「おいおい。三馬鹿じゃ絵にならねぇよ。俺が連れてってやる。こいよ真城。」
「誰が三馬鹿だぁ!!テメェなんか歩く少子化防止男じゃねぇか!!」
いつものようなやり取りが始まる。
風雅は何も見ていないようにスルーして扉に向かう。

