そしてだんだんと意識が遠退いて行く。




緊張の糸が切れたせいかダメだと思っていても逆らうことが出来ない。





そして、不思議と風雅の腕の中は安心できる。



風雅だけじゃない、みんなあたしの為に一生懸命闘っている。




こんなあたしを助けてくれる。



皆だったら信じられるんじゃないか。





もしかしたらあの夢の人影は一人じゃなかったのかもしれない。



暗闇で見えなかっただけで周りにもたくさんいたのかもしれない。




薄れ行く意識の中であたしはそんなことを考えた。









「……ありがとう。」




小さく呟いたあたしの声はちゃんと届いたかわからない。




でも、風雅の顔が優しく微笑んでいた気がした。