あたしがずっと心の中で待ち続けていたものなんじゃないかと思ったから…









黒沼はあたしがいきなり走り出すとは思わなかったのか反応が遅れたがすぐに怒りの形相であたしを捕まえようとする。






風雅もあたしに向かって走り始める。



だが黒沼との距離の方が断然近い。



あたしの走りも全力とは言えない。




やばい、捕まる。





黒沼とあたしの距離はもう2mとない。

そして黒沼はあたしに向かって手を伸ばした。











ダメだ!!

あたしはぎゅっと目をつむる。






しかし捕まるような感覚が襲ってこない。




あたしは目を開けて後ろを振り替える。