「随分とこの女が気に入ってるみてぃだなぁ。」
黒沼は腕を引っ張りあたしを自身に近づける。
そしてあたしの首筋を舐める。
体にざらりとした気持ち悪い感覚が伝わる。
「黒沼テメェ!!」
向こうで旭が怒鳴る声とともに冷静にそれを押さえる声。
おそらく空良だ。
しかし今のあたしにはなめられたことより悲鳴をあげるこの体を平然とし立たせることでいっぱいだった。
黒沼があたしの左側に立っているため左肩が黒沼とぶつかるたび激痛が走る。
「………っ。」
必死にはを食い縛る。
あたしの努力も虚しく様子がおかしいことに気づいた風雅の眉がさらによる。
「…真城に何した。」
低く唸るような声。
あたしも思わず身震いしてしまう。
あたしの横で黒沼が息を飲む音が聞こえてくる。

