「てめぇ!!」
黒沼が拳を振り上げる。
避けられない。
あたしは覚悟を決めて強く目を閉じた。
バァンッ!!
「黒沼!!奴等が来たぞ!!」
勢いよく扉を開けて入ってきた修人とあたしの目の前で止まる拳。
「チッ…命拾いしたな。」
黒沼は拳をおろしあたしの両手を後ろに回してどこからか持ってきた紐でキツく縛る。
動くたびに左肩がズキンズキンと痛み響いてくる。
修人はつらそうにあたしの顔を見つめる。
「さっさと歩きな。」
黒沼は両手を縛っている紐を掴みあたしの背中を押し歩かせた。
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