唇を噛み締め必死に痛みを我慢する。
こんな奴に負けてたまるか。口の中の地の味が不快でしかたない。
「あいつらが俺に負けて今のお前を見たらさぞ悔しかるんだろうな。」
黒沼の勝ち誇ったような言葉にあたしの何かが切れた。
「………くだらない。」
「あ?」
「あんたがどれだけ強かろうがなんだろうが人質取って勝とうって時点ですでに負けてんだよ。」
あたしは息を整えつつ黒沼を睨みつける。
「あんたなんか一生かかっても風神に勝てるわけない!それどころか風雅の足元にすら及ばない!!」
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