「別に、どうもしねぇよ。ただ風神を釣るエサになってもらうだけ。」




顔色ひとつ変えずに赤髪は言う。















「あたしはエサにもならないよ。」




あたしのちいさな呟きを聞き、赤髪は視線をあたしに向けた。








「いいや、来るね。元に今、風神は全力で姫であるあんたを探してんだ。」




赤髪はどこか嬉しそうに言う。





「まぁ、全力で探したとこでこの溜まり場が見つかるかはわかんねぇけど」




赤髪は一息ついてまっすぐにあたしを見た。







「あいつらが来るまでの辛抱だ。」




その言葉はまるで風神が勝つことを確信したような言い方だった。