「おっ!起きてたんだ。」 目の前にはあたしを拐った張本人。 あたしはじっとあいつを睨む。 そんなあたしに赤髪は怯むことなくあたしの前に何かを放り投げた。 「それ食って。」 「…………。」 目の前に放り投げられた物はメロンパンだった。 「大丈夫だよ。毒なんてはいってねぇし。」 赤髪はそう言って胸ポケットからタバコを取りだし火をつけた。 タバコの香りがこの狭い部屋に充満していく。 「……あたしをどうするの。」 しばらくの沈黙の後、あたしは口を開いた。