あたしはテントに戻ろうと思い風雅達がいる方に体を向けた。




歩きながらテントに向かう途中あたしはふと風雅を見る。




風雅と目があう。




風雅は全てを見透かしているようにあたしを見ていた。




まるで責められているような感覚であたしは足を止める。




何も悪くないはずなのに…



風雅の漆黒の瞳から目が離せなかった。





その時、風雅の口がゆっくりと動いた。











『逃げるな』




そう言った気がした。




確証なんてないあたしの思い込みだけど確かにそう言ったんだ。




何も知らないくせに…




あたしは手を強く握り締めると同時に風雅達がいる方とは逆方向に向かっていっきに走り始めた。