あっ。




そういえば借り物競争だった。




自分が何に出てるかも忘れて無我夢中で走っていた自分を思い出して少し恥ずかしくなった。





気をまぎらわすためさっさと箱の中から紙を一枚取り出して文字を読む。






























『自分が生きがいと思うもの』




小さな紙に書かれたその言葉は残酷であたしの足を止めるのには十分だった。




その間にも他の生徒達はあたしを追い越していく。





突然固まったあたしを見て周りも段々とざわつき始める。




それでもあたしはその場から動こうとしなかった。