パンッ!! その音であたしは一気に走り出した。 風にあたる感覚が気持ちいい。 何も考えずに前だけをみて走り続けた。 周りの歓声も周りの風景も何も見えなくて目の前にある一本の道だけが見えていた。 気がつくと走り終えた後で、あたしは少し息を切らしていた。 「真城ちゃん!!速かったわね!!」 あたしの後ろから水埜さんが声をかけてきた。 「えっと…あたし何位でしたか?」 何も考えないで走っていたせいか自分が何位かもわからない。