彼女の細く白い腕から リアルな体温が伝わってくる ドクドクと脈打つ心臓の音が 俺の後ろを走る彼女にまで聞こえるんじゃないかと心配になった 俺達に向かって何か叫んでいる楓の声なんて聞こえなかった 『ねぇ』 しばらく走ったあと 彼女がゆっくり口を開いた 俺は立ち止まり恐る恐る後ろを振り向く 『ひっ』 そこには鬼のような形相をした 彼女が立っていた