「うむうむ。やはり少年は話がわかってなにより」

「ですよね!」

「自分でうなずくと半減するから気を付けたほうがよいぞ、少年よ」

「いろいろと手遅れなんで特に気にしてないです」

「…………」

「そんな憐みの瞳で見つめないでください会長、かわいいです」


一応言っておくと“かわいい”なんて会長にしか言ったことない。

むしろ会長にしか言えないくらいには、会長にハマってるので。


この生徒会長、入学当初からかなりの有名人だったらしい。

まあ、この完璧すぎる外見だし、勉強もできるし運動もできるから、逆に凄すぎて近寄ってくる人が居なかったとか。

でも密かにファンクラブ的なものはあったし、それは今でも健在だ。

けれど会長に近寄る人が居ないのは、凄すぎるからではなく、このすこぶる扱い辛い会長の性格に問題があるんじゃないかと思われる。

俺も生徒会に入ってから初めて会長がこんな面倒くさい性格なんだと知ったから。

我儘で自己中。かなりの女王様気質。

これは人も寄りつかないわと思った。心の底から思った。

が、最初はそれくらい思ってた俺が何故、今、会長に夢中なのかと言うと。


「…キミはなんだね。バカなのかね、死ぬのかね」


なんて、ほら。

毒舌吐きながらそっぽを向いて、頬を赤く染めるから。

これっていわゆる、ツンデレってヤツだと思うのだ。