「――リナ、触れていい?」 彼が、ユウトが、初めて色づいた言葉をわたしにくれた。 どうして聞くの。 バカじゃないの。 答えなんて、最初からとうに決まってる。 どちらからともなく、距離を縮めた。 今までの闇が、涙が、苦しみが、消えていくように甘やかな。 抱き締めていた本は、いつの間にか床に落ちていて、時折、足の先にコツンとぶつかった。 静かな雨音と、埃とカビと、彼の匂い。 世界の終末、彼と死ぬまで、わたしはきっと覚えてる。 ━ End ━