「「「きゃあああ!!!」」」

「「「王子素敵―――!!!」」」



「丗那。」


「はい。」


「行こう。」


「はい。」


私たちはテニスを諦めた。



「あ、ボーリング行こう。」


「うん。」


「丗那後ろに投げないでね。」


「…。」


中学の時、みんなでボーリングに行ったとき、私はレーンの方ではなく、みんなが座っている方に投げたことがある。





それを今になっても言われるのだ。





わざとじゃないんだよ?



きっと穴と指の大きさが合ってなかっただけで…。




体はちゃんとレーンの方に向いてたからね。



うん。





「丗那聞いてる?」


「うん。大丈夫。多分。」


「…。」




紗代は不安そうな顔をしたけど、ここは気にしてられない。