数日後


廊下を歩いていると、越智先生に声かけられた。



「鮫島ぁ。」


「はいっ。」


先生は私に手招きをする。


私は先生のもとに歩み寄った。



「何ですか?」


「最近美奈と連絡が取れないんだ。何でか知ってるか?」



あ…。前に美奈言ってた。



諦めようかと思うって。



でもこの間のデートのときは笑ってたけど‥。



「鮫島?」


「あ。先生、奥さんとは…?」



私たちは廊下の隅でヒソヒソ話。



「…それがまだ‥。離婚協議中だよ。」


「美奈、諦めようとしてるのかもしれません…。」


「っ…。そうか。」



先生は耳を垂らした犬のようにシュンとなった。



「丗那?」


後ろから声がして、私は振り返った。



「っ‥晃平。」



晃平は先生を見つめていた。