「でも、いつ好きになったか、自分でもわからない。」


「先生と付き合いだしたのは??」


「付き合ってないよ。慶は付き合ってるって言ったけど‥。」


美奈は俯いた。



サラサラの髪で美奈の顔が見えない。


「慶、奥さんと別れて、私と真剣に交際するって言ってくれたんだ。」


「っ!!」


「でも、なかなか別れない。きっと、奥さんが渋ってんだと思う。」


「美奈は、先生のこと好き?」


「…どうしようもないくらいね。」



パッと顔を上げた美奈の目には涙がたまっていた。




ドキッとしてしまう。




「ねぇ、美奈、私は応援するよ?」


「っ!!」


「私は美奈の味方だから。秘密も守るし。」


「丗那‥。」


「何もできないけどね。」


美奈は首を横に振った。



「ありがとう。」


「先生とはデートとかしたの?」


「してないよ。できない。」



そっか。誰かに見つかったらいけないもんね‥。



「したいなぁ…デート。」


「…。」


美奈は空を仰いだ。