美奈が悩んでることって‥先生のこと‥?



「先生、美奈のこと、本気なんですか?」


「あぁ。本気だ。」


「…。」



先生は真っ直ぐに私を見て言いきった。



冗談ではなさそう。



「美奈‥いつから…。」


「ごめん…。」



それ以上は何も言わない美奈。



先生に恋したから、相手が先生だから、私たちに言わなかったの?



「丗那、帰ろう。」



美奈は私の手を引いて、資料室を出た。



「美奈!?」


どんどん歩く美奈。



「丗那、私先生のこと諦めようと思ってるの。」


「え?」


美奈は歩きながら言った。



「先生、妻子持ちだから…。」


「っ!!!!」



私は目を見開いた。



美奈は真っ直ぐ前を見て歩いた。



私は美奈の横顔が脳裏に焼き付いた。