私は首を横に振った。


「北条さんのおかげで、友達の有難さに気付けたし、晃平を想う気持ちも再確認できたよ。」



「「「「丗那…。」」」」



私は立ち上がり、北条さんと向き合った。



「晃平を返してください!」


私はお辞儀をした。



「「「「「「っ!!!!」」」」」」


「私たち9人揃わないと私たちじゃないんです。」


「あんたバッカじゃないの!?」


私はゆっくり顔を上げた。



「バカでもいい。私たちには、晃平が必要です。」



私は真っ直ぐに北条さんを見つめて言った。



「っ…。」



北条さんはその場に崩れ落ちた。



「友達なんかいないわよ…。できるわけないじゃない…。」




虫が鳴くような小さな声で北条さんが囁いた。



「そうやって決めつけるからいけないんだよ。」



晃平がゆっくり口を開いた。



北条さんは晃平を見た。



「なんでもできないって思ってたら、本当にできない。人間勘違いの塊なんだよ。できると思ったらできるし、できないと思ったらできない。脳と心は繋がってんだから。」



「っ…。」



晃平はクスッと笑った。



「俺としては、仲間のもとに戻りたい。お前はちゃんと信頼できる友達をつくれ。」



「っ…。」



「それがお前の踏み出すべき一歩なんじゃねぇの?」


みんなが北条さんを見つめた。