「春真落ち着けって。」


純が春真を抑える。



「北条さん‥。」


私が静かに声を出すと、みんなが私を見た。



「何よ!」


北条さんは私を睨みつけた。



「お姉ちゃんが、純を奪ったっていうなら…。純を奪われたときの気持ち、わかりますよね?それ、今の私です…。」



「っ!!!!」



北条さんは何も言わない。



ただただ驚いた顔で私を見るだけ。




「人のものを取っちゃいけないって、小学生のときに習わなかったぁ?」



和華がバカにしたように北条さんに言った。



「そんなんでよく、晃平のこと好きって言えるわね。」



紗代まで北条さんを見下す。



「みんな、待って。」


私はみんなを止めた。



「北条さん‥北条さんには、大切な友達居ないんですか?」


「っ…。」


北条さんは目を合わしたがすぐに目を逸らした。



「友達がいたら、どんなに辛いことも乗り越えられます。私には大切な友達、仲間がいたから‥何とか踏ん張ってこれました。」



「…。」



「今では北条さんに感謝してます。」


「丗那何言ってんの!?」


「そうだよ!!辛い思いしたのはこの女のせいなのに!!!」