頭がついてかない‥。



「バカなのは私じゃない!」


北条さんは負けず嫌いらしい。



「好きだから身を引けるんだろ。」



「何言ってんの!?はっ!好きだから身を引ける!?笑わせないで!!」



「本気で想ってるから、そいつの幸せを考えられるんじゃねぇの?」



「っ…。」



「実際どうだったんだよ?晃平のこと好きなんだろ?目の前で苦しんでる晃平見てどう思ったんだよ。」



春真は北条さんを睨んだ。



ゾクッとするくらい怖い…。



「晃平は苦しんでなんかっ…。」



「じゃあ、お前は晃平のこと好きじゃないってことだな。いつも一緒にいんなら、微妙な表情も読み取れるだろ。」



「…。」



北条さんは黙り込んでしまった。



「別れても丗那にもらったネックレスしてる晃平を見て、お前といても微塵も幸せそうな顔しない晃平を見て、笑ってても目が笑ってない晃平を見て、お前はどう思ったか聞いてんだよ!!!!」




春真‥怒ると怖い‥。



普段優しい人が怒ると怖いって、わかった気がする。



北条さんは目を逸らし、俯いてしまった。