「自分のものにならないからって、人のものをとるって、最っ低!!!」



紗代が北条さんを睨んで怒鳴った。



「てか、純が誰を好きになろうが、純の勝手だよね。」



美奈がサラッと言う。



「それに、晃平のこと好きでもなんでもないってことでしょ!?」



和華が立ち上がり、北条さんに近づいた。



「私は晃平のこと大好きよ!」


北条さんは負けじと和華に対抗する。


「嘘つけよ。好きならその人の嫌がることはしない。」



春真が低い声で北条さんを見ながら言った。



春真‥。



「違うわ!好きだから我儘言うんじゃない!!」



「それは自分のことしか考えてないだけだ。」



北条さんは春真の前に立ちはだかった。



「何ですって!?」


「好きなら、そいつの好きな奴も好きなれよ。」


「っ…。」



春真は真っ直ぐ北条さんを見た。



「どうして!?その人が好き。それで十分じゃない!!!」



「お前バカじゃねぇの?」


春真の声のトーンが一気に落ちた。