二人で保健室を後にして、教室に向かう途中。


「晃~平~。」


猫撫で声で駆け寄る女。



あ…あの人…。



「丗那、あいつ?」


春真は女を睨んだまま私に聞いてきた。



「‥うん。」


私は俯いてしまう。



やっぱり見たくない…。



すると春真は私の手を握り歩き出した。



「春真?」


何も言わない春真はズンズン進む。



私は不思議に思いながらも春真について行った。




教室に入ると春真はハッと我に返ったように私の手を放した。



「ごめん。」


「ううん。」



春真はそのまま席につく。



私も自分の席についた。




春真、どうしちゃったんだろ‥。



あの女の子を見てから機嫌が悪いというか…。



何と言うか…。