保健室に先生がいなくて、私は勝手に救急箱を探した。



救急箱を開け、脱脂綿に消毒液を滲み込ませた。



そして春真の顔に当てる。



「っ…!」


春真は痛そうにしたけど‥。



ここは心を鬼にして…。



ちゃんと消毒しないと。



でも少し時間が経っているのか薄い膜がはってある。



そしてバンドエイドを貼った。



「できた。」


「サンキュ。」



私は救急箱を片付ける。



そして春真を見ると、春真は真っ直ぐに私を見つめた。



「春真?」



すると春真は私を抱きしめた。


「っ!」


強く強く抱きしめる春真。




「…。」


頭を優しく撫でてくれる春真。



春真の優しさに触れ私は我慢していた涙を流した。




私は春真の制服を握っていた。