顔を上げると、春真が立っている。


でも‥。



「その顔どうしたの!?」


「あー‥ちょっと。」



そう言って顔を逸らす春真。


春真の顔には痛々しい傷がある。



「春真、ほけんし「丗那。」


声のする方をみると晃平が立っていた。



私は咄嗟に目を逸らした。




「丗那、話がある。」


低い声で真剣に話す晃平。


ヤダっ…。捨てに来たんだ…。



私を捨てに…。


そう心で思ってても‥。



私は耳を両手で塞いだ。



「イヤ…聞きたくない。」



私は目をぎゅっと瞑った。



「丗那‥別れよう‥。」



「っ…。」


いざ言われると心が苦しくなる。



耳を塞いでても聞こえる晃平の声。



胸が締め付けられる。