勉強はそこそこできた。成績は大体、中の上。授業も楽しくて、しっかりとついていくことが出来た。



色々な教科の中でも特に面白かったのが、数学だった。担当は、今年赴任してきて、2年生の担任をしている男性の先生だった。



教え方が分かりやすくて、どんどん頭の中に入っていった。



すぐに数学が一番好きな教科になった。



中学校生活に慣れ始めた頃、体調を崩して早退した日があった。帰ろうとして保健室を出たら、目の前に数学の先生がいて、一瞬目が合った。それだけのことなのに、なぜか鮮明に覚えている。



今思うと、この時先生との間に何か通じるものが生まれていたのかもしれない。