田川 靖弘 成績優秀の若手ホープだ。

かなりのイケメンで、物腰の柔らかさで女子社員の心を鷲掴み。

今も、楽しそうに女子社員と話している。
女の子の方は見ただけで、気があるのが一目瞭然。
何を話しているかまでは分からないけれど、私には関係ない。


その瞬間、田川の手が女の子の髪の毛に触れた。

まるで、何かを確めるように撫でていた。


…関係ないわよ…

「一ノ瀬君!」

営業部の北川主任に呼ばれ、田川君が驚いてこちらを見ているのを視界の端に入れ、真っ直ぐ主任の元に行く。

「すみません。お忙しい時に、実は…」

話ながら、個室に入って行くまで視線を感じたが気にせず、中に入っていった。