【短編】疲れた時には③

「顔…真っ赤。可愛い、朱里」

視界は田川君のドアップと天井…

「たが「名前で呼んで」」














「靖弘…」


そう言うと手を握られた。


「反則です。その顔…」













「その顔?」




「無意識、無自覚ってたち悪いです。」


何を言って…



「朱里…あっち行こ…」



もう…


もう…いつも負けてしまう…



悔しい

返事代わりに首に腕を絡めた…

「悔しい」

耳許で言えばクスリと笑われる。

「ん。」

短い言葉と同時に抱き上げられる。











スイートなだけあって、ベッドはキングサイズ全面ガラス張り

電気をつけなくても外の明かりが部屋に入ってくる。