【短編】疲れた時には③

「……。」

「……。」












「ふふ…意識しすぎね。」



「……。」



「何か飲む?ワインと…ビールぐらいかな~あっ、車だったら無理だねーじゃあ~ジュースしかないけど、はい。座って、座って。」

恥ずかし過ぎて、早口になってしまう!!

目だけは合わせちゃ駄目だ!

「朱里…俺の目を見て…」

隣に座らないでよ!

「何?」

大人な対応、大人な対応…

「ごめん…」

大人な…

「え?」

「不安にさせてごめん…」

今度は…優しく抱き締められた…

「俺のになって…」

びっくりし過ぎて田川君の顔を見てしまう…

「…っ!!」

反則よ!そんな顔!

「好きだ」

そう言って、片手で私の後頭部を撫で上げる…

一気に血が上がっていく…

そして近づく顔に…抵抗できなくて…

瞼を下ろすと同時に唇に温かい感触…


「朱里を愛してる」




もう…





ズルすぎる…


悔しいから、こっちから唇を塞いだ。


その瞬間、視界がぐるりと回った。