【短編】疲れた時には③

「はい…一ノ瀬です。」

『田川です。お疲れさまです。』

「ありがとう。」

『一ノ瀬さん…』

「何?」

『あの時…どう思いました?』

あの時…言われなくてもわかってる…

静かに流れるBGM
私の心を落ち着けてくれる…

「ふざけんなって思った。」

思い出しただけで…胸が苦しくなる…

『怒った?』

微かに笑いが含まれる言葉…

「やっぱり、若くて可愛げのある子が良いんだって思った。」

『っ…いち』

「本気にした私が馬鹿だったって思った。」

『えっ!?』

「ショックだった…」

『……。』

「だって付き合ってって言われていないし…」

『朱里…』

そんな声で名前を呼ばないで…

「私が欲しい言葉をくれない…」

『―ツーツ―』

え!切れてる…