【短編】疲れた時には③

「はぁ…」

「2人で過ごす大事な時間…かぁ~」

溜め息をつく私の隣で企画書をペラペラ捲りながら呟く孝太郎。

「在り来たりだな~」

「スパイスがたりないね~」

「お、良介も思うか?」

「うぅぅぅー」

資料をひっくり返しながら顔を資料に押し付ける。

「失礼します。橋本さんはおられますか?」

……。

「おっ!田川こっちこっち」

何呼んでんのよ!

「まぁ、座りなよ田川君。孝太郎と打合せでしょ♪」

こんな所でしないでよね!!

「あっ…はい…」

視線を感じる…

「あー主任は気にすんな、今行き詰まってるだけだから♪」

「ちょっ…孝太郎!」

「本当の事じゃん♪もっと素直になれよ~
可愛げないと愛想尽かされるぞ~なー田川♪」

「ちょっ…言い過ぎだよ、」

「…ちょっと…笠原主任の所に行ってくる。」

しまった!って顔をしている。孝太郎…

何か言いたそうな顔の田川君。

心配そうに見つめる良介…

「直帰するから、後よろしく。」


バタン…

「孝太郎~どーすんのさ~。」

「まぁ…なんとかなるよ…な、なぁ田川!!」

バシバシと田川の背中を叩く孝太郎。

「……。」

気まずそうな田川…

「あれ、もしかして何かあった?田川君。」

「……実は…」