お父さん、普通にしてればそこそこかっこいいのに、私がそばにいるとデレデレ甘々な父親になっちゃうから、ピシッときまっているお父さんあんまり見たことないな。


ちなみに、お父さんは商社のサラリーマン。
お母さんとは、職場恋愛らしい。

お母さん曰く、「働いてるお父さんね、とっても凛々しくて、ベルばらのアンドレみたいに熱くて誠実でモテモテだったわ」らしい。

たとえが古くてイマイチ分からなかったけど。



それから、ご飯を食べ終えた私は、テレビを見たり、雑誌を読んだりして時が経つのをまった。


「陽依、母さん、行ってきまーす」


お父さんが会社へ行った。

お母さんはいそいそと窓を開けて、掃除機を納戸から持ってくる。


「掃除するから、陽依もう行きなさい」

もう行きなさいって、まだ8時半…。

ゆっくり歩いても駅にはずいぶん早く着きそう。

まぁいっか。


私は、自分の部屋に戻って、バックと充電器にささっている携帯を取ると、家をでた。


「行ってきま―す!」


「いってらっしゃい!デート楽しんでね!」

「デートじゃないってばぁ!」