「なんでいんの?」


「いちゃ悪いですか?」


「いや…かまへんけど…夢か…コレ。俺まだ夢見とんのか!?」


そう言ってほっぺたをつねる藤井先輩。


「夢じゃないですよ」


「……!!!」


私がそう言った瞬間、藤井先輩は顔をそむけた。


なんでかなって覗きこもうとすると、


「絶対見たらあかんぞ!」

と顔を隠す。


今はまだ朝だというのに、藤井先輩の顔は、夕日に照らされたように真っ赤だった。