「オッサンには聞いてない」
「えー、俺だけ仲間外れ~」
「橋宮どう?」
泣き真似する先輩を無視して、梶瀬くんは私にきいた。
「えっと…」
「俺この前親戚からデスティニーランドのチケットもらってさ。乗り物とか乗り放題だよ」
デスティニーランドの乗り物乗り放題!?
行きたい!行きたい!!
でも…2人きりは…。
「俺もデスティニーランド行くで」
藤井先輩は、手をまっすぐ上にあげて言うと、目をキラキラさせて私と梶瀬くんを見る。
「オッサンの分チケットないよ」
「心配せんでええ、これを見よ!」
藤井先輩は財布から一枚のカードを取り出し、私達に見せた。

