それは空耳でなく、梶瀬くんのテノールボイス。 「なんや先輩にむかって〝あんた〟って」 「俺ここの生徒じゃないんでー、先輩面しないでもらえますー?」 出会った瞬間から険悪な雰囲気。 空はこんなに晴れているのに、2人の間では雷が鳴っている。 「お前何歳や?」 「16」 「俺17や、年上を敬え!」 「尊敬に値する人間以外は敬語つかいたくないから」 「なにぃ!?俺が尊敬に値せんて言うとんのか!」 「まぁ」 「なんやとコラー」 まぁ、初対面でここまで会話できるなんて、逆に気が合ってるのかも。