やっと、靴箱を占領していたギャル集団がいなくなったので、靴がはけた。


「はぁ……」



今日も断れないのため息と、自分自身の情けなさのため息。


コンコン


つま先を床にあてて靴をしっかり履くと、校門へ急いだ。




校門付近には人だかりができている。

あー、さっきのギャル集団が言っていた「超イケメン」がいるからか。


もお、身長が低めな私としてはですね、人だかりをくぐり抜けるのは至難の技なわけですよ。


「あっ!橋宮!」


やっと、人だかりを越えると、梶瀬くんが両手を上げてこっちこっちと私を呼んでいた。