座っていたのは「藤井先輩」。


気持ち良さそうに寝ている。


私は静かに、先輩のとなりに座った。

この場所は、私の場所なんだから、誰にも譲りたくはなかったし、先輩に昨日のこと聞いてみたかったのもあって隣に座っている。


他に行くとこないし。



「ん…」


先輩が起きた。


まだ開ききっていない目で、隣に座っている私を見る。


一時たって、「おうわぁっ!」と声を上げて、ベンチから転げ落ちた。


その姿がとってもおかしくて、わたしはつい「ぷっ」っと笑ってしまう。