「あたし、言ったよね。引き際が肝心だってさ」 「俺はただ…」 やっと、梶瀬くんは、私の手を離してくれた。 お店の迷惑になるかもしれないので、私達は外にでた。 「もう陽依を混乱させないで」 ユカはもう一度、梶瀬くんに念を押した。 梶瀬くんは、ぐっと拳を握りしめ、私の手を今度は優しく握った。 ユカがその手を振り払おうと、手を伸ばすけど、梶瀬くんはユカの手を片手で抑えて、私の方をじっと見つめてくる。