「陽依?どした?」 真横からユカの声がした。 地獄に仏! ユカは、大きなビニール袋を抱えて、私を凝視する。 「かっ梶瀬ぇ!?」 素っ頓狂な声をあげたかと思うと、涙目になっている私と、必死に腕を掴む梶瀬くんを交互に見つめて、ユカは梶瀬くんの方に一歩足を踏み出した。 ユカの顔がみるみるうちに、怖くなっていった。 「どけ!カス」 ユカの冗談じゃないぐらい痛い平手打ちが、梶瀬くんの左頬にクリティカルヒットした。