藤井先輩と私。

「陽依は彼氏いない歴=年齢って思ってるみたいだけど」



「それってどういう…」


先輩は訳わかんないという表情。

ま、それもそうね。


この話は、陽依が知らない陽依の過去であり、一人の男の悲劇の物語。




「陽依が超鈍感なの知ってるわよね?」

「あぁ…」


「その餌食にあった男が一人、名前を梶瀬。クラスでも人気者でまぁまぁのイケメン」


爽やかな短髪黒髪で、いつもみんなに囲まれている人気者。

後輩から慕われていて、昼休みや放課後に女の子から呼び出しをくらっていたっぽかった。


梶瀬は、その告白をすべて断り、3年の冬休み前に陽依に告白した。


まぁ、陽依は前々からモテていた。
可愛いし、色白だし、細いし、小さいし!


梶瀬が惚れるのは無理ないわね。