「はっきり言おうとしたら、お前が邪魔したんやろ」
「あ~ら、ごめんなさーい」
全然悪びれてない声で藤井を嘲笑うユカ。
ユカは、完全に藤井をなめている。
「おちょくんな」
藤井のテンションは下がる一方である。
「先輩、陽依の親友の、私しかしらない陽依のこと教えてあげましょうか」
「………」
タタタタッ
早歩きでユカから離れる藤井。
タタタタッ
早歩きで追いかけるユカ。
「聞きたくないんですか?」
「聞きたない!」
どうやら、今までの会話でユカの悪魔のような性格を理解したようで、藤井はユカから逃げようとした。
「陽依の元彼の話~」
小さな声で、でも藤井の耳には届く声で囁いた。
すると藤井はピトっと止まる。
本当に単純なやつである。

