何も話さずに、私と先輩は校舎を目指す。



でもその沈黙は、嫌な静さじゃなくて、温かい静けさだった。





「俺さ!!」





先輩は突然私の前に回ってこっちをじっと見た。



「なんですか?」



「おれ…陽依のこと!す「陽依、日直はいいの?」



背後からユカの声がして、私は振り返った。



そこにはユカが仁王立ちでたっている。


「ユカ?」



「陽依今日、日直だから朝早く来たんじゃないの?」


あっそうだった!


だから私早く学校行こうとしてたんだ!



「先輩失礼しますっ」



私は先輩に挨拶すると、遠くに見える学校を目指してはしった。